ハードウエア
ハードウエア
ハードウエアの大きな流れは「シンクライアント」と「コンバージェンス」である。
ブロードバンドでつながることが前提になれば、端末側での高速処理や大きなストレージ(記憶領域)が不要になる。
これまでひたすらハードウエアの高性能化を推し進めてきたが、これからは開発の方向性が180度変わってくる。ブロードバンドの向こう側にあるアプリケーションやインターネットを使うことが主目的になるため、端末側にはそこにアクセスするための「窓」があれば済む。そのため、テレビ、パソコン、携帯電話機、カーナビなどブロードバンドに対応する機器は、いよいよ機能的な違いが薄れていく。これが「コンバージェンス」である。
「サステイナビリテイ」という時代のニーズを反映して、あらゆる機器で省資源・省エネルギーであることが重視されるようになる。
必然的に、小型で軽量であること、そして再資源化が容易=シンプルで、できるだけ再生可能な材料を使っていることなど、商品開発に新たな方向性が出てくるだろう。
新聞・雑誌などで使われる大量の紙をどのようにリプレースするかは重要なテーマとなり、この市場を狙って電子ペーパーを使ったものなど様々なプロダクトが出てくるだろう。
「PAN(Personal Area Network)」と呼ばれる機器間の高速通信も注目を集めるだろう。
WiFi-DirectやBluetooth3.0, Wireless USBといった新技術を使うことで、機器間で数十M~数百Mbpsという高速のデータ通信が可能になり、最高クオリティーの音声や映像データを無線で飛ばすことが可能になる。
これによって本体とストレージ、ディスプレイ、あるいはスピーカーなど様々な機器を切り離す(Wireless化)ことができるようになる。デジタル機器の基本形が根本から変わる可能性がある。
ディスプレイの大型化やネットワークの高速化など、増え続ける消費電力へ対応するために、モバイル機器では燃料電池の実用化が本格化するだろう。「DMFC」(ダイレクトメタノール燃料電池)と呼ばれるメタノールを燃料とする方式が最有力である。電力供給を安定化させるためにキャパシタと組み合わせて使われる形態が一般的になるだろう。