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人口の都市集中

もくじ

人口の都市集中

世界的に進む都市集中

人口の変化という点で、もう一つ注目すべきは「都市部への人口集中」である。
下のグラフに示すデータは、都市部への人口集中が今後どの程度進んでいくか、という国連の予測である。
2007年現在、イギリス(都市人口割合88.9%)、米国は1.4%)、フランス(77.1%)、スペイン(77.1%)など、先進国では都市部への集中度が高い。これは、産業構造が第1次産業(農兼や鉱業など)の割合が減少し、第3次産業(商業、金融、運輸、サービス業など)へのシフトが進んでいることと密接な関係がある。第3次産業のために必要なのは「人」であり、人が増えるほど第3次産業を呼び寄せる。経済の成熟化に伴う産業構造の転換によって、都市集中が進むのは必然的な流れなのである。
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先進国以外でも、アルゼンチン(91.8%)、ブラジル(85.2%)、ロシア(72,8%)で都市集中が進んでいる。海外からの投資が都市に集中することで、都市周辺で様々な仕事が生まれ、それを求めてさらに人が流れ込んでくるという構図ができている。それ以外にも政治体制や、歴史的経緯、気候風土などが関係している。例えばロシアは、総人口1.1億入のうち、世界的にも注目度が高い首都モスクワ(約1000万人)と旧都サンクトペテルプルク(約460万人)の二つの人口が突出している。気象条件が厳しい極東部や北海沿岸では人口密度が低いが、計画的な都市建設によってハバロフスクやウラジオストクは50万人を超える都市になっている。

世界経済の単位は「地域」

世界全体では、2007年現在で約半数が都市部の住人であり、2030年には約6割に増えると予測されている。
1国全体としては人口が減少しても、地域ごとに見ると人口が増えているケースがある。その代表は日本である。
日本は既に人口減少が始まっているが、東京、名古屋、札幌、仙台、福岡など中核都市の周辺では、人口は増加の一途をたどっている。特に東京経済圏(1都7県)の人口は3500万人以上と、地域経済の人口規模としては世界最大である。大阪経済圏(京阪神)の1700万人でも、米国ニューヨークやインド・ムンバイ、ブラジル・サンパウロ(それぞれ約1900万人)に匹敵し、人口規模では世界トップクラスである。
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世界経済は、「国」ではなく「地域」が主体となって動いている。
例えば、米国では州によって税率も異なる。
中国では地域ごとに地方政府が置かれ、自律的な経済運営が行われている。EU各国の人口や経済規模は、日本で言えば「県」レベルに相当する。中国の1人当たりGDPは2000米ドル台であるが、上海や北京周辺に限れば6000米ドルを超えている。マーケットとしてのポテンシャルを検討する際に、国全体の平均値にはあまり意味がない。重要なのは地域であり、戦略は地域単位で考える必要がある。
例えば、アジア地域のどこにコールセンターを置くかという検討であれば、投資対象は「中国か、日本か」ではなく、「上海か、福岡か」という「地域」である。世界の中で生き残っていくためには、地域独自の魅力をつくることが必須である。「道州制」への移行によって地方自治がどこまで進むかは、日本の将来を左右する重要なファクターとなるだろう。

「都市集中」は世界的なトレンドであり、上図で示されるように各地で進んでいく。
国連は、2025年における東京経済圏の人口は約3600万人と予測している。
2007年と比べて増加数こそ少ないものの、依然として世界最大の地域経済なのである。日本は国土が狭く、それによる様々なデメリットが語られることが多い。だが半面、世界でも稀に見る都市集中度の高さをもたらし、それが第3次産業を発展させる土壌になったともいえる。
都市集中度の高さは日本の大きな強みであり、東京や大阪周辺は世界的にも極めて魅力あるマーケットなのだ。
身近だと気が付きにくいが、マーケットはまず「足元」から考えるべきなのである。

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