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通信技術・ネットワーク

バッテリー技術

通信技術・ネットワーク

いつでも・どこでも----「ユビキタス」の実現

情報サービス・通信技術分野における最も大きな変化は、無線ブロードバンドの普及によって、どこにいてもインターネットにアクセスできるようになるということである。
接続する機器もパソコンだけでなく、携帯電話機、テレビ、カーナビなど多様化が進み、銀行のATMのように、誰もがインターネットを使うことができるようになるだろう。
 ブロードバンドの存在が前提になることで、ハードウエアやソフトウエアのあり方も変わってくる。
ソフトウエアはデジタル機器側にインストールして使うというのが、これまでの常識だった。
しかし、ブロードバンドがどこでもつながる環境に変わると、ソフトウエアはブロードバンドの向こう側に置いた方が便利になる。
ソフトウエアの更新も不要になるしこセキュリティーもプロの対応に任せることができる。
接続する機器がパソコンからだけではなくなると、使うたびにデータを同期させるのに手間がかかるという問題を抱えることになるが、ソフトウエアやデータがブロードバンドの向こう側にあれば常に同じデータにアクセスすることができる。
これが「クラウド」と呼ばれる新しい潮流である。
 クラウドが前提になることでハードウエアはよりシンプルになり、単独で利益を出すことが厳しくなる。
そのため、ハード-ネット-ソフトを一つのビジネスとして全体で収益を考える「プラットフォームビジネス」がこの分野の主力になっていく。
プラットフォームビジネスは顧客と長期にわたって関係を築くことを前提とする「サービス業」であり、顧客の囲い込みが激化するものと予想される。

これからは「組み込み」技術が、さらに重要になってくる。
水平分業の進展によって、優れた部品を寄せ集めたレベルのものは誰でも作れるようになる。
ハードウエアとネットワーク、そしてソフトウエアをシームレスにつないで使いやすいものを作ることが重要である。
新興国との差別化という意味でも「作り込み」をどこまでできるかが重要になる。特に、画像や音声を使うなど、最近のデジタル機器はマイコンレベルでは対処できないほど高度化しており、さらにはブロードバンドの高いい知識まで要求されると共に、ソフトウエア技術に対する要求も格段に高まる。
組み込み技術の差は、プロダクト全体のクオリティーを決定付けるものになる。

ネットワーク

ネットワーク分野における全体トレンドとしては、有線と無線の両方がブロードバンドに対応するということである。
今後3-5年の間で、ブロードバンドは社会のインフラとして定着する。 それは同時に職場や家庭の中といった「LAN(Local Area Network)」に留まっていたプライベートなネットワークが、「WAN(Wide Area Network)」としていつでも・どこでも同じ環境を共有できることである。

無線についてはWiMAXなど「無線通信系」と4G(第4世代携帯電話)といわれる「携帯電話系」があるが、技術的には共通性が非常に高い。
基本的に通信は、IPで統合されるかたちとなる。事実、通信キャリア各社は基幹回線についてもIP化を進めている。
無線/有線共に、ネットワークの高速化のために研究開発が進んでおり、固定通信のバックボーン(基幹回線)では、将来的に数Tbps級の通信が実現する可能性が高い。
ただ、端末側では100M~1Gbps程度で頭打ちになる。技術的には、無線でも数Gbpsクラスの通信をすることは可能であるが、フルハイビジョン映像を送る場合でもせいぜい10Mbps程度で十分であり、それ以上の超高速通信を必要とするアプリケーションは現実には考えにくい為である。

高速化競争の終焉と共にIP通信が主役になることで、携帯電詰も従量制のビジネスモデルを続けることは困難になる。
無線ブロードバンドに対応する機器が増えると、IP通信での通話(VoIP)は当たり前になり、通話すること自体にはそれほど大きな付加価値がなくなるからである。
通信キャリアはノートパソコンやカーナビ、テレビなどへと対象を広げ、面的拡大で収益の落ち込みをカバーしようとすることになるものと予測される。
クラウドに対応する意味でも、一つのアカウントで複数の機器からアクセスできることが一般的になる。
画像の説明

ブロードバンドの主役は有線から無線へ

ブロードバンド・サービスのポイントは、

  1. 動画をスムーズに視聴できる通信速度がある(広帯域)
  2. 常時接続である
  3. 固定料金である

という3点にまとめられる。現在ブロードバンドは光ファイバー(FTTH)やⅩDSL(ADSLやCATV)といった有線で利用されているが、利用できる場所が限られる無線ブロードバンドが普及することで、どこにいてもインターネットが利用できるようになる。

携帯電話の通信速度は高画質の動画を見るには十分ではないし、利用者がインターネットに接続して初めてつながる形態であって、パソコンのように常時ネットワークにつながっているわけではない。
最近はパケット定額制が各社で導入されているが、基本的には従量制の料金体系のままである。
携帯電話はインターネットが利用できるようになったものの、「ナローバンド」と呼ばれる旧世代に留まっている一方、ノートパソコンでは無線LAN(Local Area Network)が今や標準装備になっており、広く使われている。
これは「Wi-Fi」と呼ばれており、技術的には「IEEE802.11(a/b/nなど)」という標準規格が使われている。 無線LANの通信速度は11M~数百Mbpsと、動画視聴にも十分対応できる通信速度があるものの、電波が届く範囲は数十mに留まる。
無線でブロードバンドを使うには、どちらもー長一短なのである。そのため、無線通信と携帯電話の両方の陣営が無線ブロードバンドの実現を目指して、それぞれ次世代技術への移行を進めている。
ブロードバンドの主役は有線から無線へと移り変わる。

携帯電話は3.9G/4Gへ

無線通信では「WiMAX」と呼ばれる遠距離・高速対応の新規格が登場し、ブロードバンド通信サービスが既に始まっている。
WiMAXの特徴は、市街地なら2~3km、郊外であれば50kmと遠くまで電波を飛ばすことができることである。 通信速度は上りで40Mbps以上、下りが10Mbps以上であり、100km/hで高速移動する自動車からも使うことができる。
WiMAXを使えばIP携帯t話を実現することも可能であり、モバイル機器でスムーズに動画を見ることもできるようになる。
 日本におけるWiMAXの事業者としては、ウイルコムと、KDDI系のUQコミュニケーションズの2社が免許を取得している。
UQコミュニケーションズでは2009月6月から「WiMAX」を、ウイルコムは2009年10月から「WILLCOM CORE XGP」と呼ぶサービスをそれぞれ開始している。UQコミュニケーションズは複数のメーカーと契約し、既にWiMAXのモジュールを標準搭載したパソコンの市場投入を始めている。
 UQコミュニケーションズは世界標準規格であるWiMAXをそのまま使っているのに対して、ウイルコムはハードウエア部分は共通であるが、プロトコル仕様は独自のものを策定している。これは、狭いエリアに集中するPHS基地局上で展開しても混線しないようにするためであり、利用者が込み合っても通信スピードが落ちにくいというメリットがある。

携帯電話ではNTTドコモ、ソフトバンクモバイル、イー・モバイル、auの各社が、2010年から2012年にかけて「3.9G」(第3.9世代携帯電話)と呼ばれる次世代規格への移行を計画している。
現在の通信規格である「3G」では、auは「CDMA20001Ⅹ」、その他の3社は「W-CDMA」とう通信方式をそれぞれ採用しており、国内でも規格が分かれている。
3.9Gでは4社とも「LTE」という標準規格を採用することで落ち着いた。
イー・モバイルは2010年1 9月、NTTドコモは同年12月、ソフトバンクは2011年7月、KDDIは2012年12月からそれぞれ3.9Gサービスをスタートしている。

3.9Gは名前が示すとおり、技術的には「4G」に近い。
だが、3Gとの互換性については配慮されていないため、基地局を新たに開設する必要がある。
将来登場する4Gは「IMTTAdvanced」という名称で呼ばれている。その中でいくつかの通信方式が検討されており、LTEでは同規格を発展させた4G規格「LTE-Advanced」が提唱されている。
ただ、いずれにしても4Gの通信方式は技術的にはどれも似たものになるのは間違いない。
さらに言えば、4Gとはブロードバンド=IP通信のための規格であり、通備については基本的にWiMAXと同じである。
4Gでは、技術的には1Gbps以上という高速通信も可能であり、通信に限って言えばパソコンと同じかそれ以上の通信速度が実現する。
だが、当初は現在と同じく、料金の上限を設けた上で「従量制」が残る可能性がある。
それはトラフィック(通信データ)量が急激に増加するのを避けることと、できるだけ従量制のビジネスモデルを引っ張って収益を確保したいからである。
だが、有料コンテンツの中心になるであろう動画サービスはトラフィツク量が多いため、定額制への移行は不可欠である。
固定料金化と共に常時接続に移行するまでには、それほど時間はかからないだろう。

WiMAXの登場によって携帯電話では通話部分でも定額化は避けられなくなる。
無線通信によるIP電話サービスがスタートすれば、携帯電話だけが従量制を維持するのは難しくなるからである。 現在、携帯電帯各社は携帯電話網のIP化を進めており、2010年ころに完了する見通しである。
そうなるとNTTの電話回線網を通らずに済むようになるため、完全定額制も可能になる。

無線ブロードバンドの普及によって何が起こるか?

無線通信系であるか携帯電話系であるかはともかく、無線でどこにいてもブロードバンドにつながる社会が実現するのは間違いない。
それも5年以内には、ほほ全国に普及しているものと予想される。
無線でブロードバンドが利用できるようになると、利用場所を選ばなくなる。
別な言い方をすれば、「どこにいてもブロードバンドでつながる」ことが当たり前になり、それが社会に定着するとブロードバンドの存在は社会の前提条件になる。
特に、屋外(モバイル)と自動車でもブロードバンドが使えようになることは、いろいろな分野のビジネスに大きな影響・変化をもたらすことに繋がる。

携帯電話における通信スピードの向上と常時接続化を実現するには、通信部分以外でも技術的な課題が多い。
通信スピードが上がれば消費電力が増えるのは必然である。 常時接続になると、いわゆる「待ち受け」状態での消費電力も大きくなる。
最近はディスプレイも大型化が進んでおり、そこでも電力消費量は増えている。
モバイル機器の開発おいて、省電力化はこれまで以上に重要なテーマとなるだろう。
現在、各メーカーはモバイル用として「DMFC」(ダイレクトメタノール燃料電池)方式と呼ばれる小型燃料電池の開発にも取り組んでいるが、いまだ量産化の見通しが立たっていない。
モバイル機器におけるネットワークの高速化は、電池がネックになる可能性が高い。
通信速度が速くなるほど、消費電力も大きくなるからである。 
無線ブロードバンドの市場は、電源やサイズの問題に左右されないという点でも、当面は自動車向けが主力になるだろう。

ブロードバンドの普及は、一方ではハードウエアの「コンバージェンス」と「シンクライアント化」を加速することになる。
コンバージェンスというのはハードウエア間の違いが薄れて「融合」することであり、シンクライアントとはハードウエアがよりシンプルになっていくことを指す。
ブロードバンド接続が前提になると、どの機器もネットワークの向こう側にあるコンテンツやサービスを利用することが主流になる。
極端に言えば、サーバー側で処理した結果を画像などのデータにして端末に送ってくるため、どの機器もディスプレイと多少のフラッシュメモリ、あとはタッチパネルかキーボードがあればこと足りてしまう。
今までパソコンにしても携帯電話にしても、ひたすら性能を上げることに注力してきたが、ブロードバンドの普及に伴って開発方針を180度転換する必要に迫られるだろう。

携帯電話の高速化については、4Gが事実上最後とみてよい。
通信速度という点では、NTTドコモの実験で5Gbpsという超高速にも成功している。
だが、現実的には携帯電話でそこまでの高速通信が必要となるコンテンツやサービスはほとんどなく、通信速度が速くなるほど電力消費量も増えることも頭打ちの背景となっている。
4Gは、世界標準として技術的にも統一される可能性が高い。

超高速ワイヤレス接続

「無線PAN」が家電製品の基本形を変える

無線LAN(Local Area Network)との対比として、無線PAN(Personal Area Network)が注目されている。
同じ建物や部屋の中など10~20mという狭いエリアで機器同士をつなぐもので、技術的には様々なものがあり、IEEE802.15Ⅹというかたちで世界的に標準化が進められている。
 その中のIEEE802.15.1が「Bluetooth」、802,15.3aが「UWB(Ultra Wideband)」と呼ぶ規格である。
Bluetootbはパソコンのワイヤレス・マウスやキーボード、携帯電話機のワイヤレス・イヤホンなどで既に幅広く使われている。 バーション2.0までは通倍速度は最高でも1Mbps程度と低速だったが、2009年4月に仕様がリリースされたバージョン3.0では24Mbpsと通信速度が大きく向上した。 
これだけ高速になると、高品質な映像や音声を無線で送信することも可能になる。
これによってテレビ本体とディスプレイを太いケーブルでつなぐ必要がなくなり、5.1chのスピーカヤシステムでは部屋中にケーブルを這わせなくても済むようになる。
デジタル機器のデザインや設置方法が根底から変わる可能性がある。

超高速通信を実現する「UWB」

さらに高速通信を行うことができるのが、UWBである。UWBは当初、米国で軍事技術として開発が進められていた。
しかし、無線分野で世界の主導権を握るために米国政府は方針を転換し、米FCC(連邦通信委貞会)が民間にも使用許可を与えるようになった。
規格統一を目指して調整が進められていたが2006年に策定を断念し、現在は2つの陣営がデファクト化を狙って争っている
 UWBは、480Mbpsという超高速通信を実現するだけでなく、消費電力が少なく製造コストが安い、妨害電波に強い、セキュリティーが高いなど、様々な特徴を持っている。
パルス波を送信するだけなので、送信回路が簡単で安価で製造できる上に消費電力が少なくて済み、しかも同じ周波数帯を使う無線機器と干渉しにくいとされている。
さらに、相関する回路を償えた装置以外では情報の受信ができないため、高いセキュリティーが確保できるという特徴もある。
 UWBは無線受信回路についての技術であるため、物理層では無線LANやBluetooth、USBと組み合わせて使うことができる。
既にUSB規格では、UWB技術を組み込んだ「WirelessUSB」という規格を作っており、3m以内では480Mbps、3m以内では110Mbpsという通信速度を実現している。
AV機器のインターフェースとして標準化が進む「HDMI」にも、UWBを組み込むことが可能である。
オランダのロイヤルフィリップスエレク卜ロニクス社は2007年にUWB技術を使ってHDMIを無線化する「WirelessHDMI」を発表している。
 UWBの問題点は、通信距離を延長すると伝送速度が低下することである。 しかし、これは他の無線機器との混信を避けるために電力を小さくしているのであり、仕様上やむを得ないとも言える。

メーカー同士の主導権争いなどで、UWBの普及は現時点ではあまり進んでおらず、素晴らしい技術であるにも関わらず今後の普及見通しが立っていない。
そうした状況の中、現状のWiFiデバイス環境で機器間の高速通信が実現できるWiFi Direct方式が一気に伸びる可能性が高くなっている。

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